ジャニーズ事務所の支離滅裂さ。医療従事者を支援するチャリティーライブで新型コロナ感染拡大防止策を徹底しない
ハッピーライブはとても楽しかった。
本当にすごく楽しかった。
きっと私だけじゃなくたくさんの人が、様々なグループのファンが、楽しい時間を過ごして。
出演者のパフォーマンスに元気をもらって。
多くの人を幸せにしたに違いない。
けれど…
それとこれとは、別な話。
さすがに筋が通っていないのではないか。
と思い、ブログを書くことにしました。
この話の結論は、以下です。
新型コロナウイルスの感染経路不明者がゼロになっていない状況で、
医療従事者を支援するチャリティーライブでありながら、新型コロナウイルスの感染拡大防止策を徹底しない。
ジャニーズ事務所に支離滅裂さを感じました。
長文になりますので、ご注意ください。
【目次】
ジャニーズ事務所が実施したチャリティーライブの概要
ジャニーズ事務所に所属しているグループが横浜アリーナで無観客ライブをした新収録の映像を、ジャニーズ事務所が有料で配信しました。
ライブの名称は、
「Johnny’s World Happy LIVE with YOU 」。
この配信で得られた収益金は、ジャニーズ事務所の「Smile Up!Project」を通じて医療従事者向けの支援に役立てられるということです。
2020/6/16~21の6日間にわたり配信されたチャリティーライブの詳細な日程と出演グループは、以下になります。
日程 | 出演グループ |
---|---|
6/16 | V6 嵐 King & Prince |
6/17 | KAT-TUN 関ジャニ∞ Sexy Zone |
6/18 | NEWS Hey!Say!JUMP ジャニーズWEST |
6/19 | Kis-My-Ft2 ABC-Z |
6/20 | ジャニーズJr. |
6/21 | KinKi Kids SixTONES Snow Man |
(ジャニーズJr.の具体的なグループ名は省略しています)
※関西ジャニーズJr.は「政府による新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針における移動自粛要請に基づき、出演を見合わせ」とのことです。
6日間にわたりジャニーズ事務所に所属しているほとんどのグループが出演する、とても豪華なライブです。
しかも収益金は医療従事者向けの支援活動に役立てるというチャリティー。
芸能事務所という一企業であるジャニーズ事務所が、ここまでの社会貢献をできること。
本当にすごいし、すばらしいことだと思います。
新型コロナウイルス感染症の影響で不足していた医療物資をスピード感をもって医療機関に届けたことも含め、いずれも簡単にできることではありません。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と戦い続け私たちを支えてくれている医療従事者の方々を支援する。
このチャリティーライブの趣旨は、とてもすばらしいと思います。
ジャニーズ事務所の支離滅裂さ
感染拡大防止策を徹底しないライブ
私が支離滅裂さを感じているのは、今回のライブにおいて、ジャニーズ事務所が出演者同士の感染拡大防止策を徹底しなかった所です。
ライブをすべて観たわけではありませんが、ダイジェストやワイドショーで放送されていた内容を見る限り、グループごとに出演者同士の感染拡大防止策への対応が異なっていたように思います。
(ソーシャルディスタンスや飛沫感染防止等への対応)
また、ライブ収録を終えた出演者たちに自撮りさせるような演出もあったことから、
ほとんどの出演者は感染拡大防止策を徹底できなかったと推察されます。
(密にならないとカメラに写れないため)
ここで私が言いたいのは、
「出演者同士の感染拡大防止策を徹底していたグループがいい。徹底していないグループが悪い。」ということではありません。
出演グループごとにその対応が異なっていて、
かつ、
感染拡大防止策を徹底していない出演者の方が多かった、ということ。
つまり、このことは、新型コロナウイルスの感染者・感染経路不明者がゼロになっていない2020/6の状況で
このチャリティーライブを取りまとめているジャニーズ事務所は、新型コロナウイルス感染拡大防止策を徹底したライブをする気がなかった、ということになります。
(出演者ではなく主催のジャニーズ事務所側の問題)
チャリティーライブの趣旨
ここで誤解がないように述べておきたいのですが、
私は、2020/6の時点で出演者同士の感染拡大防止策を徹底していないライブを行うこと自体が問題だ、と思っているのではありません。
感染状況を配慮しつつ、ということにはなりますが
ビジネスとして、現実的にできる範囲の感染拡大防止の対策をしてライブを行うこと自体は、問題ないと思います。
(もちろん出演者の感染リスクは上がるし、コロナを感染拡大させるリスクも上がるので、そのリスクを負わなければならないけれど)
なので、このライブが、「ビジネスとしてジャニーズ事務所の利益のために実施したライブである」というなら、これほどの支離滅裂さは感じません。
先ほど述べたように、このライブはチャリティーライブです。
収益金は「医療従事者向けの支援活動に役立てる」とのこと。
医療従事者の支援をするという趣旨のジャニーズ事務所が主催しているライブでありながら、
感染経路不明者がゼロではない今の状況で、出演者同士の新型コロナウイルス感染拡大防止の対策を徹底しなかった。
感染拡大防止の対策を徹底しないということは、
つまり、最悪の事態として、出演者同士で新型コロナウイルスの感染を拡大させる可能性がある、ということです。
医療従事者支援のためのチャリティーライブでありながら、新型コロナウイルスの感染を拡大させるリスクを負う。
支離滅裂ではないでしょうか。
ただ、もし
- ライブに出演しているメンバーが全員PCR検査を受けていて
- 全員陰性であることが確認できていて
- ライブ開始までに出演者以外とは濃厚接触していない
ということなら、話は変わります。
この場合は出演者同士での新型コロナウイルスの感染拡大はありえないため、
ソーシャルディスタンスや飛沫防止などの対策は不要です。
上記のような検査や対応を行っているのであれば、今回のライブはチャリティーとして、筋が通っていることになります。
(なお、今回のライブ中にソーシャルディスタンス等の話題が出演者から出ているため、上記のような検査は行われていないと想像されます)
1日も早く新型コロナウイルスを終息させること。
医療従事者の方が望んでいることは、まず私たちが新型コロナウイルスの感染を拡大させないことではないでしょうか。
新型コロナウイルスの感染経路不明者がゼロではない状況で
医療従事者を支援するチャリティーライブでありながら新型コロナウイルスの感染拡大防止策を徹底しない。
ジャニーズ事務所に支離滅裂さを感じました。
チャリティーライブ開催の趣旨は、すばらしいと思います。
ジャニーズ事務所のその気持ちは、とてもすばらしい。
でも、そのライブのやり方に問題があったように私は思いました。
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(ビジネスとして実施したライブだった場合のジャニーズ事務所の矛盾)
先ほど、
このライブが、「ビジネスとしてジャニーズ事務所の利益のために実施したライブである」というなら、これほどの支離滅裂さは感じません。
と書きました。
支離滅裂さについては、上述した通りです。
ここで、もし今回のライブがチャリティーではなく、
ビジネスとしてジャニーズ事務所の利益のために実施したライブであった場合について、考えてみました。
その場合は、ジャニーズ事務所の判断に矛盾がある。一貫性がない。
と思ったので、その理由について書こうと思います。
私が気になったのは、このライブ映像が収録された時期です。
このライブは「横浜アリーナで無観客ライブをした新収録の映像」であるため、動画配信日より前にライブ映像の収録は行われています。
国内の状況と合わせて時系列にすると、以下のようになります。
5/25 | 緊急事態宣言解除(全国) |
6/1 | 6/16-21にライブ映像を有料配信すると発表 (出演者発表) |
6/2-11 | 東京アラート |
6/13- | ライブの画像が解禁 |
6/15- | 動画配信開始 (初日は無料のダイジェスト) |
※太字が国内の状況。細字がジャニーズ事務所
この時系列より、今回のライブ映像は、画像が解禁された6/13より前に収録されたとわかります。
6/13より前というと、6/2-11に「東京アラート」が発動していました。
(東京アラート:感染状況が再び悪化しているので警戒すべきと東京都が判断した時に発令するアラート)
つまり、東京都が感染状況が悪化してるので警戒すべきと判断していた時期に
ジャニーズ事務所は横浜アリーナでこのライブ映像を収録したことになります。
「ビジネスとして感染拡大のリスクを多少負ってもやらなければならないことがある」のはわかりますし、これがジャニーズ事務所以外の会社であれば矛盾は感じません。
私が引っかかるのは、このライブを実施したのが「ジャニーズ事務所」という所です。
ジャニーズ事務所は、緊急事態宣言中に外出した手越祐也さんに対して、2020/5に処分を下しています。
(手越さんは2020/6/19にジャニーズ事務所退所)
「新型コロナウイルスの感染を拡大させたくない」
という思いが強く新型コロナウイルスに対して慎重な考えを持っている会社だからこそ、ジャニーズ事務所は手越さんに厳しい処分を下した、と私は思っていました。
しかし、ジャニーズ事務所は新型コロナウイルス感染症の第2波がくると懸念されていた、
少なくとも東京都はそう判断していた東京アラート発動中に感染拡大防止策を徹底しないライブを実施した。
このことは、緊急事態宣言中に外出した手越さんと同様に、感染を拡大させるリスクを伴っています。
感染拡大させるリスクを伴う行動をした手越さんに厳しい処分を下したジャニーズ事務所自身が、感染拡大させるリスクを伴うライブを実施している。
矛盾しています。
このような理由から、これがビジネスとしてのライブだったとしても、
ジャニーズ事務所の判断に矛盾がある。一貫性がない。
と、私は思いました。
まとめると、ジャニーズ事務所がこの時期に感染拡大防止策を徹底していないチャリティーライブを行ったことは、
チャリティーとしての支離滅裂さだけではなく、
ジャニーズ事務所の判断としても筋が通っておらず矛盾している、ということになります。
あとがき
話を戻すと、
新型コロナウイルスに関わる医療従事者を支援するチャリティーライブでありながら、出演者が新型コロナウイルスの感染を拡大させるリスクを負っていたということ。
新型コロナウイルスの感染経路不明者がゼロではない2020/6の状況で
「医療従事者を支援するチャリティーでありながら新型コロナウイルスの感染拡大防止策は徹底しない」というのは支離滅裂だと思います。
ジャニーズ事務所の名で行っている医療従事者を支援するためのチャリティーライブであるならば、
ライブを主催しているジャニーズ事務所が、新型コロナウイルス感染拡大防止策の徹底を主導するべきだった、と私は思いました。
【追記】
2020/7/22、キンプリの全国アリーナツアーの開催が発表されました。
(2020/9~11の二か月をかけて、全国9か所を巡るツアー)
なお、2020/7/23の東京の新型コロナ感染者数は366人で、過去最多でした。
7月に入ってから感染者数は増える一方で、7月中旬以降は緊急事態宣言中の感染者数を上回る日も多くなりました。
(緊急事態宣言発令中の東京の最多感染者数は4/17の206人とのこと。7月に入ってから新規感染者数が200人を超える日が多い)
東京に限らず、全国的にも感染者数が増えている状況です。
そして、2020/8/12、コロナウイルス感染拡大防止の為に結成した「Twenty★Twenty」というジャニーズ事務所所属タレントの多くが参加する期間限定ユニットから、「Smile」というチャリティーソングを発売するそうです。
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