またキンプリをステマに利用?スポンサー企業に不利益を及ぼしかねない衣装を着用させるジャニーズ事務所
キンプリの衣装について。
スポンサー企業に不利益をもたらしかねない、深刻で重大な問題だと思います。
先に結論を書いておくと
しかも今回はスポンサー企業を巻き込んで。
『関係性の明示なく、仕事として公開される様々な場で、特定のブランドに偏った衣装を着用する』
この不透明な行為自体、行われるべきではないと思う。
という話になります。
なお、以前書いたステマに関する記事はこちらです。
【目次】
経緯
始めに経緯について書きます。
ジャニーズ事務所に所属しているアイドルグループ、King & Prince(愛称:キンプリ)。
2022/4時点でキンプリは複数のCMをしていますが、その中の一つに、本田技研工業(以降、ホンダと記載)の『Hondaハート』があります。
(2021/11に情報解禁)
『Hondaハート』は、「Hondaのハートを伝えるプロジェクト」とのことです。
ホンダが取り組んでいるカーボンニュートラルへの取り組みなど、King & Princeがメッセンジャーとなって「Hondaが持つユニークな多面性・多様性」を多くの人々に伝えています。
一方、最近、キンプリのメンバーがたびたび着用するようになった服があります。
『HONDA × WIND AND SEA』の服です。
『HONDA × WIND AND SEA』は、「本田技研工業」とアパレルブランド「WIND AND SEA(ウィンダンシー)」とのコラボレーションコレクションとのことです。
(2021/12に発売開始)
キンプリのメンバーは、King & Princeとしての活動やメンバー個人で出演しているドラマの宣伝時などに『HONDA × WIND AND SEA』の服を着用しています。
実際に『HONDA × WIND AND SEA』の衣装をキンプリメンバーが着用した仕事は以下となります。
(すべて2022年の出来事となります)
日付 | 詳細 |
---|---|
2/10 | インスタグラムのKing & Princeアカウント(@kingandprince_j)で行われたインスタライブ メンバー1名が着用(消去済み) |
4/2 | ジャニーズwebのSHOWたいむの写真 メンバー2名が着用 |
4/3 | YouTubeの「King & Prince」チャンネルのコミュニティの写真 メンバー2名が着用 |
4/14 | ツイッターのKing & Princeアカウント(@kingandprince_j)の写真 メンバー1名が着用 |
4/25未明 (複数回投稿) |
インスタグラムとツイッターの【シンドラ公式】アカウント(@shindora_ntv)の動画や写真 メンバー1名が着用 (同日に行われたインスタライブでも同様の衣装を着用(アーカイブなし)) |
(2022/4/27時点)
※ここに記載しているのは一部である可能性があります
いずれの仕事においても、『HONDA × WIND AND SEA』の宣伝・広告(PR)であるとの明示はありません。
ちなみにキンプリがCMをしている『Hondaハート』には、『Hondaハート』のグッズがあります。
その中にはTシャツもありますが、『Hondaハート』のTシャツをキンプリのメンバーが着用している所は確認できていません。
(2022/4/27時点)
このように『HONDA × WIND AND SEA』の服を、仕事として公開される様々な場で、広告との明示がなく、複数回、キンプリの複数のメンバーが着用している状況となっています。
スポンサー企業に不利益を及ぼしかねない
この状況は、たくさんのスポンサー企業に不利益を及ぼしかねないと思います。
一つずつ、見ていこうと思います。
ドラマのスポンサー企業
まず、キンプリのメンバーが出演しているドラマのスポンサー企業です。
2022/4、キンプリは2名のメンバーがそれぞれ個人でテレビドラマに出演しています。
そしてそのドラマの宣伝時に、『HONDA × WIND AND SEA』の衣装を着用していました。
先ほど述べたように、『HONDA × WIND AND SEA』は、自動車メーカー「本田技研工業」とアパレルブランド「WIND AND SEA(ウィンダンシー)」とのコラボレーションコレクションです。
通常のアパレルブランドの服とは異なり、「ホンダ」をPRする意味合いの強い服となります。
そしてテレビドラマには、ドラマのスポンサー企業がいます。
ドラマのスポンサー企業の立場から見た場合。
たくさんのアパレルブランドがある中で、なぜあえて「HONDA × WIND AND SEA」の服を着用しているのか。
自社がお金を出しているドラマを、別企業のロゴが入った衣装を着て出演者が広告している。
これは、「出演者がうっかり言ってしまった」などの状況とは全く異なります。
スポンサー料を支払っているドラマのスポンサー企業にとって、不利益ではないでしょうか。
(ホンダがドラマのスポンサー企業であったり、ドラマのスポンサー企業の許可をとっているのであれば、話は変わります)
ホンダ以外のキンプリのスポンサー企業
次に、キンプリとCMを契約しているホンダ以外のスポンサー企業です。
ホンダ以外のスポンサー企業は、キンプリに自社(商品)の宣伝・広告をしてもらうためにスポンサー料を支払っています。
そのタレントが、CMとは関係ない場で、『HONDA × WIND AND SEA』の衣装を複数回着用している。
自動車メーカーのアパレル商品を着て、「ホンダ」をPRしている。
広告と明示されていない場でタレントに特定の企業のイメージがつくことは、別のスポンサー企業としては気になる所かと思います。
加えて、そもそも広告か否かの明示なしに様々な場で何度も特定のブランドに偏った衣装を着用していること自体。
現在の広告業界では違和感を覚える、透明性の低い行為にあたるかと思います。
つまり、King & Princeは、透明性の低いクリーンではないタレントというイメージを持たれてしまう。
このことは、ホンダ以外のキンプリのスポンサー企業にとって、不利益ではないでしょうか。
ホンダ
最後に、場合によってはもっとも不利益をもたらされる可能性があるのが、ホンダです。
キンプリのメンバーが『HONDA × WIND AND SEA』の衣装を仕事として公開される場で複数回着用している今回の件。
そもそもホンダの許可をとって行われているのでしょうか。
ホンダにとってどのような不利益を及ぼしかねないのか、一つずつ見ていこうと思います。
まず、上記に記載した、テレビドラマの宣伝で『HONDA × WIND AND SEA』を着用していた件です。
ホンダがドラマのスポンサー企業ではない場合。
ホンダはお金を出していないのに、間接的にドラマを通してホンダを広告できたことになります。
ドラマのスポンサー企業に了承されていれば問題ありませんが、そうではない場合。
実際にお金を払っているドラマのスポンサー企業に対して、ホンダが失礼な行為をしたことになる。
このことでホンダに不利益を及ぼすかもしれません。
そして次に、ホンダに不利益をもたらしかねないのが、
ステマと疑われるような行為を指示している広告主がホンダかもしれない、と消費者に思われても違和感がないことです。
なぜそう思われてしまうのか、現在の状況を整理していこうと思います。
2022/4時点の状況は、以下となります。
- キンプリが本田技研工業の『Hondaハート』のCMを担当
- キンプリのメンバーが『HONDA × WIND AND SEA』の衣装を複数回着用
そのため、「『HONDA × WIND AND SEA』をキンプリが着用することに、ホンダも関わっているかもしれない」と思う消費者も少なくないかと思います。
ただここで気になる点が浮かびます。
そもそも、実際にKing & Princeとスポンサー契約を結び関係性が明示されているのは、『Hondaハート』です。
『HONDA × WIND AND SEA』ではありません。
つまり、『HONDA × WIND AND SEA』とKing & Princeの関係性は、消費者に明示されていない状況となっています。
仕事として公開される様々な場で、
複数回、
キンプリの複数のメンバーが着用している。
関係性の明示はない。
先ほど述べたように2022年の現在において、このような行為が行われること自体、違和感を覚える行為となります。
なぜなら、情報が明記されていない透明性が低い中で行われるこのような行為に、消費者はステマを思い浮かべるからです。
「宣伝・広告ということを消費者に隠して行われるプロモーション活動」。
ステルスマーケティング(ステマ)。
ステマは消費者の誤認を招くとして消費者庁が課題視している行為です。
詳細は以前の記事に記載したため割愛しますが、日本を始め海外でも問題とされており、罰せられる場合もあります。
2021/11には、消費者庁がステマ行為に対して初の措置命令を出しました。
つまり、今の状況の何がホンダにとって不利益をもたらしかねないのかというと。
そして、キンプリにステマと疑われるような行為を指示している広告主(主体)がホンダかもしれない。
と、消費者に思われる可能性が十分にある状況となっている所です。
実際にホンダが関わって今回の行為が行われているのならば、消費者がホンダに対して抱くイメージと相違しません。
ただ、もしホンダは何も関わっていないのに上記のような行為が行われていた場合。
ホンダから見れば。
自社に不利益をもたらしかねない行為を、スポンサー料を支払っているジャニーズ事務所からされている。
ということになると思います。
これらの理由から、今回の行為は、たくさんのスポンサー企業にとって不利益を及ぼしかねない行為である。
と思いました。
なお、特定ブランドの衣装を、仕事として公開される様々な場で、関係性の明示なしに、複数回、キンプリの複数のメンバーが着用する。
(私服か衣装かの判別が困難な状況で着用することも多い)
この手法は、2021/7に書いた記事「キンプリをステマに利用?衣装担当スタイリストとブランドの関係」に書いた、ブランドBの手口と類似しています。
最後に
またしてもキンプリはステマに利用されている?
以前書いた記事と似たような状況が、2022/4にも発生している。
しかも今回は、スポンサー企業を巻き込んでいます。
そもそも前回の件も含めて、King & Princeの衣装は、関係性の明示なく仕事として公開される場で特定のブランドに偏っていることが多いように見えます。
King & Princeは、ブランドの広告マシーンではないはずです。
(ジャニーズの他グループも同じ状況なのかは不明です)
ステマは、消費者庁が措置命令を出すような悪質な広告行為です。
King & Princeだけの問題ではなく、ジャニーズ事務所全体の問題となります。
『関係性の明示なく、仕事として公開される様々な場で、特定のブランドに偏った衣装を着用する』
消費者の誤認を招きかねないステマを想起させるこのような不透明な行為自体、行われるべきではない。
一人の消費者として、本当にやめてほしい。
と、私は思っています。
スポンサー企業とCM契約を結んでいるのは、ジャニーズ事務所です。
仮にキンプリの衣装担当スタイリストの独断で行われた行為だとしても。
このような衣装をタレントに着用させるスタイリストと契約し続けているのは、ジャニーズ事務所です。
ジャニーズ事務所が責任を問われます。
ジャニーズ事務所が、一般企業として、常識ある対応をしてくれることを望みます。
【関連記事】
(なお、他ブランドでもKing & Princeを利用した同様の手法によるステマ行為が行われている可能性があります)
(ちなみに私事となりますが、ファンをやめた後もキンプリをテレビやSNSでたまに目にすることはあり(量はかなり減りましたが)、その中で今回の件を知って、調べた内容をもとにこの記事を書きました。このような結果となり、個人的にはとても残念です)