「同一グループは家族とみなす」ソーシャルディスタンスの方針が事実だった場合のジャニーズ事務所の危険性

「グループは家族とみなす」ジャニーズ事務所のソーシャルディスタンスの方針

【2020/8/13、所属タレントに順次抗体検査を実施しているとジャニーズ事務所の公式発表に記載がありました。
「追記:なぜ抗体検査なのか」を最後に追加しました】

 

もし本当にジャニーズ事務所のソーシャルディスタンスの方針が「同一グループは家族とみなす(ので濃厚接触してもよい)」だとして。
家族内感染と同じように、グループ内感染を捉えていたとしたら。

ジャニーズ事務所が、
「グループ内感染は仕方がない」と思っていたら…

非常に危険な考え方だと思います。

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染を拡大させる可能性が高い。
メンバーがコロナに感染する可能性が上がる。

ブログを書きました。

 

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公式からの方針ではない

先に述べておきますが、
「同一グループは家族とみなす」というソーシャルディスタンスの方針は
ジャニーズ事務所が公式に出したものではありません。

グループのメンバー同士は近づいてもよい、としていることは状況的に確認できましたが、それ以外の詳細な情報は不明です。

本来、ジャニーズ事務所が公式に出したものに対して反応すべきと思いますが、
この件に関する詳しい説明を今後聞くことは難しいように思い、現時点の情報でブログを書くことにしました。

 

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経緯

この内容は、日経エンタテインメント2020年9月号(2020/8/4発売)の雑誌に掲載された、堂本光一さんの記事を参考にしています。


セブンネットで見る

 

記事には、堂本さんの舞台への想いやコロナとの向き合い方などが書いてありました。
個人的には、納得できる点も多くありました。
(納得できるかどうかは、人それぞれの価値観によると思います)

ただ、私が引っかかったのは、ジャニーズ事務所のソーシャルディスタンスの方針です。

 

「グループは家族とみなす」

 

本文中では、以下のような流れで説明されていました。
(一部要約)

今、(エンタメ業界の)コロナ対策は手探りで行われている。
テレビ局も局ごとに対応が違う。
音楽番組の対応も違っており、「すれ違うのもNG」な局もあれば、「メンバー同士は近づいてもOK」な局もある。
ジャニーズ事務所は後者。
だから、6月中旬に配信されたチャリティーライブ「Johnny’s World Happy LIVE with YOU」は、ソーシャルディスタンスをしていないグループもあった。
「グループは家族とみなす」がジャニーズ事務所の方針。

 

ざっくりいうと、このような流れでした。

この内容について、掘り下げてみようと思います。

(なお、以下はすべてジャニーズ事務所のソーシャルディスタンスの方針に対する話となります。堂本さんに向けたものではありませんので、ご注意ください)

 

コロナ禍での「家族」とは

始めに、コロナ禍における「家族」について考えてみようと思います。

 

新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために、濃厚接触者の数をできるだけ減らす。
だから、今、ソーシャルディスタンスという名目で人と一定の距離をとることが求められています。

ただし、現実的にソーシャルディスタンスをとることが困難な相手もいる。
それが、「家族」です。

 

特に、同じ家で一緒に生活をしている「家族」に関しては、ソーシャルディスタンスをとることが難しい。

物理的に家の中で距離をとることが難しい場合や、生活するうえで距離をとることが不可能な場合もある。
生活に手助けが必要な子供やお年寄りなども距離をとって生活することは難しい。
そもそも、同じ家で生活しているので、共有しているものも多すぎる。

 

現実的に、同じ家で生活している「家族」が、濃厚接触者とならないことがあまりに困難である。
一定の距離をとって生活できないので、ソーシャルディスタンスは不要。
家族は、濃厚接触してよい

そして、上記のような事情があるため、
同じ家で生活をしている家族の家庭内感染は仕方がない

 

コロナ禍での「家族」の考え方は人それぞれだと思いますが、
家庭内感染が話題になることがあっても、
できるだけ家庭内で感染しないように気を付けても、
最終的に、2020/8時点の世間の雰囲気として、このような印象のように思います。
少なくとも私はこのような印象です。

そして、ジャニーズ事務所の方針を考えるうえでポイントとなるのは、
家庭内感染を防ぐことは現実的に困難なので仕方がない
という側面がある所だと思います。

 


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「グループは家族とみなす」ジャニーズ事務所の方針

私が「グループは家族とみなす」の方針で一番危険だと思っているのは、
「グループ内感染は仕方がない」というジャニーズ事務所の考えが透けて見える所です。

 

「グループは家族とみなすから濃厚接触しても問題ない。グループ内感染は仕方がない」。

 

一企業であるジャニーズ事務所のこの方針を良しとした場合。
以下の場合も良しとすることになります。

企業が、この部署は家族とみなすから濃厚接触しても問題ない。
職場内感染は仕方がない。
学校が、このクラスは家族とみなすから濃厚接触しても問題ない。
クラス内感染は仕方がない。
団体が、この仲間は家族とみなすから濃厚接触しても問題ない。
仲間内の感染は仕方がない。

組織の都合でみなし家族を作るということは、こういうことではないでしょうか。

 

濃厚接触者の人数を増やせば増やすほど、コロナの感染は拡大する可能性が高い。

もし、ジャニーズ事務所が「グループ内感染は仕方がない」を正当化する言葉として、「家族」を使っているのだとしたら。
この考え方は大変危険だと私は思います。

この方針を良しとしたら、大変なことになる。

 

テレビ局の場合

ところで、「メンバー同士は近づいてもOK」なテレビ局は、
ジャニーズ事務所と同じように
「近づいてもOK。グループは家族とみなすから」という方針なのでしょうか。

 

私は
「近づいてもOK。本来は近づくべきではないが業務のために一時的にはやむを得ないから。」

こちらの方針だと思います。

 

グループのメンバー同士は近づいてOK、という同じ行動をしても
「家族とみなす」と「業務のために一時的にやむを得ない」と思っているのでは
グループ内感染を防ぐことへの意識が全く異なります。

  • 「家族とみなした」場合の意識
    先ほど述べた通り、濃厚接触によりグループ内で感染することは仕方がない。
    グループ内感染への対策を、今以上する気はない
  • 「業務のために一時的にやむをえない」とした場合の意識
    感染拡大防止という点では不適切な濃厚接触をしている。
    グループ内感染のリスクが高いので、別な対策をした方がよい

 

コロナの感染拡大を防止するためのソーシャルディスタンスの方針として、
前者の意識は、やはり危険だと私は思います。

 

チャリティーライブの話

先ほどの日経エンタテインメント内で話題が出た
ジャニーズ事務所が6月中旬に配信した無観客でのチャリティーライブ「Johnny’s World Happy LIVE with YOU(以降ハッピーライブ)」の話です。

以前のブログで「ジャニーズ事務所の支離滅裂さ。医療従事者を支援するチャリティーライブで新型コロナ感染拡大防止策を徹底しない」という記事を書きました。

 

「グループは家族とみなす」という方針自体が危険だと思うので、
この話をする意味はあまりないのですが、念のため書いておきます。

ハッピーライブの収益金は「医療従事者向けの支援活動に役立てる」とのこと。
このライブは、新型コロナウイルスと戦っている医療従事者を支援する。という趣旨でのチャリティーライブでした。

2020/6時点の状況では、
「グループは家族とみなす」という方針があろうがなかろうが、
医療従事者を支援するチャリティーライブであるならば、
感染を拡大させるリスクを最大限減らすライブであるべきである。

私は今もそう思っています。

 

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余談:後付け疑惑

余談ということになりますが、さらに言えば、
ハッピーライブが行われた6月の時点で
「グループは家族とみなす」というジャニーズ事務所の方針が本当に存在したのか、私は疑問に思っています。

なぜなら、もし本当に存在したのであれば、問題があるからです。

 

グループを家族とみなしていたならば、
2グループ合同のパフォーマンスをするのはおかしい。

 

ハッピーライブでは2グループ合同のパフォーマンスもありました。

グループは家族とみなしていたのであれば、
グループのメンバー以外と濃厚接触するのはおかしい。
ソーシャルディスタンスなしでグループ合同のパフォーマンスをすることは、濃厚接触者をさらに増やす。
大変危険で、問題です。

濃厚接触者が増えることは、コロナの感染を拡大させることに繋がります。

 

細かい所を言えば他にも疑問を感じる点は複数あるのですが
いずれにせよ、「グループは家族とみなす」の方針自体が危険だと思うので、これらを考える意味はないかと思います。

ただ、仮に、
ハッピーライブ時の濃厚接触の大義名分として「グループは家族とみなす」と後付けで出した方針であるならば、
個人的には、かなり信用できない印象となります。

 

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まとめ

「グループは家族とみなす」
だから、ソーシャルディスタンス不要。
グループ内感染は仕方がない。

 

ジャニーズ事務所が本当にこのような意味でこの方針なのだとしたら、大変危険だと思います。

コロナの感染拡大につながりますし
何より、一番心配なのは、
タレントがコロナに感染するリスクが高くなる

 

「グループは家族とみなす」と言われるより、
仕事の性質上どうしても濃厚接触となってしまうことが増えるので
グループ内感染を避けるために、メンバーには定期的にPCR検査や抗原検査検査を受けさせている。
※検査はPCR検査や抗原検査を指すため、修正しました(2020/8/14)

感染拡大の点からも、メンバーの健康という点からも
こう言われた方がはるかに安心できるし、信用できます。

 

もしかしたら…

ジャニーズ事務所の方針は、
「同一グループは家族とみなす」
(が、グループ内感染を防ぐために、所属タレントは全員定期的にPCR検査や抗原検査をして陰性であることを確認している。)

このような方針なのかもしれません。
個人的には、是非ともこの方針であってほしい。

本当はこちらであることを、願っています。

 

ジャニーズ事務所が、
新型コロナウイルスの感染拡大を防止し、
所属タレントの命や健康を守る企業であることを、
祈っています。

 

※繰り返しになりますが、この方針はジャニーズ事務所の公式から出されたものではありません。ご注意ください。

 

追記:なぜ抗体検査なのか

2020/8/13、ジャニーズ事務所所属の伊野尾慧さんが新型コロナウイルスに感染していると発表されました。
ジャニーズ事務所からは、以下の報告が出されました。
(一部抜粋引用)

 

8月6日夜より倦怠感を感じたものの、一度も発熱することなく軽微な風邪の症状に留まっていたこと、また、弊社にて所属タレントを対象に順次実施しております抗体検査を伊野尾は8月5日に受け、その結果が陰性であったことから最新の注意を払いながら経過を観察しておりました。その後、念のためPCR検査を実施しましたところ8月12日に陽性であることが確認されました…(略)

「弊社所属タレント伊野尾慧(Hey!Say!JUMP)新型コロナウイルス感染に関するご報告」より
_ttps://www.johnny-associates.co.jp/news/info-298/

※先頭のhは_に変えています

 

この文章からわかる伊野尾さんの時系列での流れをまとめると以下になります。

8/5 抗体検査 陰性
8/6夜 倦怠感や軽微な風邪の症状
8/12 PCR検査 陽性

 

伊野尾さんは、抗体検査とPCR検査を受けています。

 

ここで、2020/8時点、新型コロナウイルスの検査方法としてあげられている
「PCR検査」、「抗原検査」、「抗体検査」の意義の違いは以下になります。

PCR検査 感染しているかどうかを判定
抗原検査
抗体検査 過去の感染の有無を判定

 

伊野尾さんは8/5に抗体検査で陰性と判定されていますが
抗体検査は、過去の感染の有無を判定するため、今感染して発症していても陰性となるとのこと。

 

つまり、今感染しているか判定できない抗体検査での陰性は当然の結果であり、
伊野尾さんに倦怠感などの症状が出た8/6夜に
PCR検査や抗原検査をすれば、陽性と判定された可能性がある。

もっと早く陽性であることが確認できれば、
もっと早く伊野尾さんは療養することができた。

抗体検査が陰性であることをもととした今回のジャニーズ事務所の対応は不適切だったと私は思います。
(8/6夜にPCR検査しようとしたけど保健所の都合で検査できなかった、などの別な事情がある場合はのぞきます)

 

さらに、私が引っ掛かったのはこの文章です。

「弊社にて所属タレントを対象に順次実施しております抗体検査

 

先ほど述べたように、抗体検査では今感染しているかの判定はできません。
抗体検査でわかることは、タレントが過去に感染していたことがあるか、となります。

 

なぜPCR検査や抗原検査ではなく、抗体検査なのか

 

なお、日本国内での抗体検査について、厚生労働省のHPでは以下のように述べています。(一部抜粋引用)
「…体外診断用医薬品として承認を得た抗体検査はありません。WHOは、抗体検査について、診断を目的として単独で用いることは推奨されず…」

 

過去の感染の有無を判定する抗体検査をタレントに順次実施して、ジャニーズ事務所は何を知りたいのか。
私にはわかりません。

 

所属タレントの安全や感染拡大防止のために順次実施すべき検査は、抗体検査ではない。

と、私は思います。

 

タレントの健康や安全を守ってほしい。
コロナの感染拡大を防止してほしい。

一人のファンとして、一人の庶民として、そう思っています。

 

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