小説『真夜中乙女戦争』の感想。好きかもしれないし嫌いかもしれないけど、すごくおもしろかった
『真夜中乙女戦争』を読み終わりました。
著者はFさんです。
かなり尖ってましたね~。
めちゃくちゃ重い。
私個人的には好きでもないし嫌いでもないけど、すごくおもしろかったです。
って、違うか。
好きかもしれないし嫌いかもしれないけど、すごくおもしろかったっていう方が正しいのかな。
・・・こういう感想を言っちゃってる時点で、私の何かに深めに刺さった所はあるんだろうな、という自覚はあります(笑)
行き詰った時や苦しいな、と思った時にまた読み返したいと思える本でした。
この本の存在は、King&Princeの髙橋海人さんが今読んでいる本とラジオで話していて知りました。
ネットで調べてみると、「現役大学生から圧倒的支持」と書いてあって、売れているみたい。
今の若い人はどういう本を読んでいるのかな?、という興味だけで読み始めました。
以下では小説『真夜中乙女戦争』のネタバレありの感想を書いています。
偉そうにあれこれ言っていますが、なんの知識も文才もない一般人のただの感想となります。
(本の感想のみでキンプリの話は出てきません)
私はFさんのツイッターや他の本は何も読んだことがなかったので、前情報は何もなく読みました。
この本は読む人によって全然違う感想になりそうですね。
好き嫌いも思いっきり分かれそうですし、読んで感じた気持ちも人によってまったく異なりそうですし。
そんな所もこの本のすごく魅力的な所じゃないかなぁ、と思っています。
これは私の場合の感想になりますので、ご注意ください。
広告
【目次】
『真夜中乙女戦争』の感想
まず言い回しが複雑というか、クセがありますよね。
かっこつけてるというか、複雑にしようとしているというか、急に何か含みを持たせるというか。
文章自体は読みやすいのですが、この言い回しのおかげでなかなか内容を理解できなくて…
読み進めるのに時間がかかってしまいました。
でも、個人的にはこの言い回しがとても魅力的だと思います。
かっこつけたくて、複雑で、一つのことにいろんなことが含まれてるっていうのが現実なような気もするし、理屈でどうこう言えないことの方が実際は全然多いし。
それを一部文章にしたらこういう感じになるのかな、みたいな…
中には共感できない所もありましたけど、共感できる所もたくさんあって、切り口が斬新で、とても興味深くておもしろかったです。
理由はわからないんですけど、私もこういう言い回しの影響を一時期受けてしまったり(笑)
急に格言みたいな、ポエムみたいな、私が生きていて思ったつらいことや自分はこうしたい、みたいなことをFさんっぽい言い回しで言いたくなる衝動に駆られました。
(実際、手帳にメモしてしまったw)
『真夜中乙女戦争』の話って、全然明るくないし、むしろ暗いし、話は極端だし、主人公の「私」の状況だけ見ると悪い方向にしか進んでない。
それなのに私が手帳にメモした内容は、「未来は明るくないけどそれでも私はこうしたい」みたいな、なぜか前向きな内容だったりするんですよね。
しかも小説とはほとんど無関係な内容の。
不思議です。
広告
個人的に、ストーリー展開は粗削りというか、雑なように私は感じていて。
特に最後の方になればなるほど、展開に無理があるような気がしているんですよね。
結局ひたすら悪い状況にしかなってないし、それが納得できるような展開という感じでもないし。
(一個人の感想です)
でも、ですよ。
そこを踏まえて考えてもですよ。
最後のほうで、主人公の「私」は大切なものが「先輩」と気付くわけで、そして「先輩」は「私」に、生きてればそれでいいよ、みたいなことを言ってこの小説は終わるんですよね。
「さらっと終わったなぁ。状況は悪いまま終わるし、救われた気もあまりしないし」
というのが読み終わった一番最初の私の感想だったんですけど。
でももしかしたら、「自分にとって大切なものに気付くこと」や「生きてること」。
これが、どんなに状況が悪くても自分にとっての希望や救いになると伝えている小説なのかもしれない、と思ったりして。
私は状況が悪くてもなんでも、最終的に少しの希望や明るいものが見える小説が好きなんですよね。
読み終わってすぐは、私にはその明るいものが見えなかったんですけど、もしかしてこれは主人公の「私」が希望を見つけられた話だったのかな?と。
まさか主人公の「私」にとってはハッピーエンドってこと!?と思ったり、思わなかったり。
でも私は治安が悪いのは嫌いです!
犯罪反対!!!
『真夜中乙女戦争』みたいな世界、めっちゃ怖いからイヤです!
そんな極端なめっちゃ怖い世界でも、
傍観者だった「私」が大切なものに気付けたのは希望であり、
そんな大切な人が「生きてればそれでよい」と「私」に伝える世界。
でも恐ろしいのは、今後生きてることも難しいかもしれない、そんなめっちゃ怖い世界を作ったのも「私」っていう…
怖いーーーーー!!!!
・・・まぁ、そういう複雑な所も含めて、この小説の魅力なのかもしれません。
緻密な細かい言い回しと、それに対して粗く感じるストーリー展開。
もしかしてこのアンバランスさも含めて、この小説の魅力なのかもしれない、と思ったりもしました。
まぁ、繰り返しになりますが、好き嫌いはめちゃくちゃ分かれると思います。
ところでこの小説、現役大学生に支持されてるとのことですけど、今の若い方たちは複雑にいろんなことを考えてるんですね。
最近流行ったような映画やアニメを見ていると比較的真っすぐなものが多い印象でしたし、私自身も若いときは真っすぐなものの方が共感しやすかったので、『真夜中乙女戦争』がこういう内容でとても意外でした。
(上から目線ですみません)
若い方に限らず、もっと年齢が上の人も読んでみたら興味深いんじゃないかなぁ、と思いました。
広告
この小説、映画化しそうですよね。
でも個人的にはしてほしくないなぁ…
人それぞれで全然違う感想を持つっていうのも、この小説の魅力でおもしろい所だと思いますし。
映画化すると、どうしても一つの方向性の価値観が強くなってしまう。
この小説の自由度が失われるというか、おもしろさが狭まってしまうというか。
映画を見た後にこの小説を読んでも、映画の印象に引っ張られてしまいそうというか。。。
という、一個人の勝手な願望でした。
まとめ
ということで、小説『真夜中乙女戦争』の感想でした。
まだ一回しか読んでいないので、もう一回読んだらまた違う感想を持ちそうな気はしています。
私にとって『真夜中乙女戦争』は、好きかもしれないし嫌いかもしれないけど、すごくおもしろかったです。
そして小説を読みながら、「未来は明るくないけどそれでも私はこうしたい」みたいなことをなぜか勝手に思いました。
行き詰ってる時や苦しいなと思っている時に、また読めたらいいな、と思っています。
(2019/7/30投稿)
追記
実写映画化決定(2021/3/15)
2021/3/15、『真夜中乙女戦争』の実写映画化が発表されました。
来冬劇場公開予定とのこと。
主演の「私」は、King & Princeの永瀬廉さんです。
(脚本・監督は、二宮健さん)
上に書いたように、この小説は映像化・映画化が難しい作品だと思います。
ただ、逆にとらえれば、制作側の腕によって作品の良し悪しが変わりやすい作品でもあると言えると思います。
その面では、どういった映画になるのか、楽しみと言えるかもしれません。
ちなみにキンプリファンとしては映画を観たい気持ちがあるので、予告などの前情報を見てから観に行くかは考えようと思っています。
ぜひおもしろそうな予告であることを、祈っています。
【関連記事】
“小説『真夜中乙女戦争』の感想。好きかもしれないし嫌いかもしれないけど、すごくおもしろかった” に対して2件のコメントがあります。
コメントは受け付けていません。
はじめまして。永瀬廉さんが『真夜中乙女戦争』を映画主演されると知り、作品について調べていたところ、こちらのブログに辿り着きました。
「King&Princeの髙橋海人さんが今読んでいる本」「映画化しそうですよね。でも個人的にはしてほしくないなぁ…」と書かれておりますが、まさか同グループのメンバーが主演するとは!笑
主様はキンプリのファンとお見受けするので、そうは思っていてもやはり観に行かれるのでしょうか。私は映画に向けて一度読んでみようと思います。
はじめまして。
まさかキンプリのメンバーが主演するとは…
こんなことあるんですね。
「マジか!」と思いました笑
正直な気持ちを言えば、複雑です笑
映画を観に行くか、というご質問に関して、現時点で明確にお答えすることは難しく思っています。
私はこの小説の解釈・感想の自由度の高い所も魅力の一つだと思っていて、約2時間の映画でこれを表現するのは難しいように感じたため、映画化してほしくありませんでした。
私が感じた原作の魅力を壊された上にがっかりしたくない、という気持ちはあります。
とはいえ、この小説が映画としてどのように表現されるのか、気にならないわけではありません。
この映画は、脚本と監督を同じ方が担当なさるようです。
その方の創りあげるこの小説の世界が私の想像を超越したおもしろい映画作品となるかもしれませんし、ならないかもしれません。
キンプリファンとして永瀬廉さん主演映画を観に行きたい気持ちはありますが、悩ましい所です。
(偉そうなことを言ってすみません)
ということで、現時点では、
「絶対観に行くとも言えないし、絶対観に行かないとも言えない」
という感じです笑
予告などの前情報を見てから考えようと思います。
『真夜中乙女戦争』、読んでみてください!
ではでは、長文失礼しました。