人間はそもそもダメな愛しい生き物。ドラマ「コタキ兄弟と四苦八苦」の感想

コタキ兄弟と四苦八苦のドラマの感想

めちゃくちゃおもしろかった!
ドラマ「コタキ兄弟と四苦八苦」!!!

とても心にしみた…
グッときた…
ちょいちょい泣いた…
でもめちゃくちゃ笑った…

 

なんて自分はダメなんだろう。
と、落ち込みがちな私に元気をくれました。

人間なんてそもそもダメな愛しい生き物なんだな、と。

 

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「コタキ兄弟と四苦八苦」は、テレビ東京系「ドラマ24」で2020/1/11~3/28まで放送されたテレビドラマです。

主演は、兄である一路役の古舘寛治さんと、弟である二路役の滝藤賢一さん。
脚本は、アンナチュラルや逃げ恥で有名な野木亜紀子さんによるオリジナルです。

私はドラマ『アンナチュラル』が好きなので、野木さん脚本ということで「コタキ兄弟と四苦八苦」を見ました。

 

ストーリーは、おじさん二人が兄弟で「レンタルおやじ」を始める、という話です。

このドラマの登場人物は、人間らしい温かみを感じられる所がとても素敵。
主役の、一路(以降は兄)と二路(以降は弟)も、とても人間らしい。。

なんて不器用なんだ!
もう少しうまくできないのか!?
と思うものの…
自分にも近い所がたくさんあったりして。

正しいか正しくないかなんて関係なくて。
うまくできるかできないかなんて関係なくて。
ただ、自分と向き合って正直に生きるってことが一番大切なのかなぁ、なんて思ったりしました。

 

以下では、ドラマ「コタキ兄弟と四苦八苦」の感想を書いています。
一度見ただけなのでリピートしたらまた違うことに気づくかもしれませんが、今の時点の感想ということで。

思いっきりネタバレありです。

まだドラマを見ていない方は、読まない方がいいと思います。
ご注意ください。

 

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特に好きな話

このドラマは連続ドラマだけど、レンタルおやじの依頼人は1話ごとに変わります。
なので、基本的には1話完結です。
全体的に繋がってる所もあるけど、繋がっていない所もあります。

ということで、私が特に好きな話についての感想です。

 

第2話「求不得苦」

レンタル兄弟おやじが結婚式に出席する話です。
妊娠している新婦と新婦の家族以外は全員レンタルの結婚式。
(レンタルおやじの依頼人は新婦です)

 

新婦の気持ちが本当にせつなかった。

どうやら新婦は子供ができた後で相手の男に逃げられたらしく…
でも結婚式はやる。
子供が産まれたら夫とは離婚したと言って、実家に帰る。

 

この新婦の覚悟が、苦しくて強くてせつなくて優しい。

 

結婚式に出席して楽しそうな新婦の両親を見れば見るほど、
新婦がついた一世一代の嘘がとても苦しくて。
両親を傷つけるウソをついてる。

でも、産まれてくる子供にとっては…
お父さんはあなたが産まれる前に逃げたんだ、と聞くより、
結婚した後にすぐ離婚したんだ、と聞いた方が、
なんて優しい世界になるんだろう。

産まれたことを肯定された気がする。

 

そのために新婦は、一生、一人で嘘と罪悪感を背負っていく覚悟をしたんだな、と。

「嘘をつく」ことは、いいことなのか悪いことなのか。
正しいか正しくないかはわからないけど。

新婦の子供への愛情だけは確かにそこに存在しているように思えて。
泣けました。

 


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第4話「死苦」

数か月後に世界が終わると思っている終末論者の女性から、レンタル兄弟おやじへの依頼です。

 

依頼人の女性は、自分の余命が短いから世界の終わりと言っていただけで、本当の終末論者ではなかったんですけど。
この女性とレンタル兄弟おやじの関係が、とてもあたたかかった。

余命が短いその女性は、自分の身近にいた好きな人たちにそのことを知らせていないんですよね。
好きな人には、自分の最期を見せたくないと思っている。

だから、レンタル兄弟おやじのことは好きにならないだろう、と最期の話し相手として依頼したのに。

 

その女性相手に、世界が終わる話を熱心に本気で話しているレンタル兄弟おやじが、あまりにバカげていて…

理屈としてはなんの解決にもならない、
それが女性の救いになるかもわからない、
夜中にやってきて相手の都合はあまり考えていない。

でも、そのレンタル兄弟おやじの言動の原動力が、女性への優しさだったから。

 

女性が言った、「あなたたち本当にバカね」はレンタル兄弟おやじへの愛だったんだろうなぁ。
レンタル兄弟おやじのことを、依頼人の女性は人として好きになったんだろうなぁ。
だから、死に際が近くなってからは、会わなかったんだろうなぁ。

依頼人の女性も、レンタル兄弟おやじも。
ただただ愛がある。

 

人間ってそもそも基本ダメな生き物なのかもなぁ。
でも、愛おしい。

泣けました。

 

第10話「老苦」

レンタル兄弟おやじのお父さんが出てくる話です。
(お父さんは、俗にいうクズ親父とのこと)

 

特にこの話で私の印象に残っているのが、兄のセリフ。

「親父のことは許してない」

でも、「あわれだった」

 

許してない。
恨みの気持ちはある。
でも、あわれだと思う。

恨みの気持ちとあわれだと思う気持ちは、同じ相手に対して両立できるものなのか…

 

人の気持ちは、なんて複雑なんだろう。
白黒はっきりつけられれば、わかりやすくて、簡単で、悩まなくていいのに。

でも、はっきり説明できないこういう気持ちこそが、人間らしい気持ちなのかもしれない。
白黒つけられる方が珍しくて、基本的にはグレー。
自分として一番納得できるのはどういう言動なのか、悩んで選ばないと決められない。

人間なんて矛盾を抱えているのが自然なのかなぁ。

それでも、自分で納得するのが大事なのかも、と思いました。

 

デフォルトはみんなダメで生きることは苦しい

レンタル兄弟おやじの二人は、それぞれダメな所はあるけど、いい所もあるんですよね。
ダメな所だけを見ればダメな人だなー、と思うけど、
いい所だけを見ればいい人だなー、と思う。

結局、どの人もみんなこういうものなのかなぁ…
もちろん私も。
だって、完璧な人なんていないし。

 

お兄ちゃんと弟は、二人とも正直に精一杯生きてるんですよね。
めちゃくちゃ不器用だけど笑

こういう風に自分として産まれてしまったんだからしょうがない。
これからだって、こんな自分で生きていくしかない。
やりたいように生きるしかない。
(ニュアンス。第11話)

お兄ちゃんに言われると、とても元気が出る気がする。
親近感がわきます笑

 

人間はダメで正しくなくて傷つくことも多いけど。
一つ一つ正直に自分と向き合って生きていけば。
それだけで、いいのかもしれない。

簡単にできることではないけれど、そういうものなのかなぁ、と思いました。

 

あと、このドラマの1話ごとのタイトル。
全部に「苦」が入ってるんですよね。
(さすが「四苦八苦」)

人生って基本苦しいんだなぁ、と笑
このドラマもいろんな苦しい話が出てくるけれど…
でも、楽しくて幸せなことも、それなりにある。

生きるって、基本は苦しい。
その中にたまにある自分にとって幸せなことを大切にできるか。
大切と思えるかは、自分が決めてる。

そういうものなのかなぁ、と思いました。

 

デフォルトは、人はみんなダメだし、生きることは苦しい。

ダメな中にある、自分や他人のいい所を大切に思えるか。
苦しい中にある、たまの幸せを大切に思えるか。

結局は自分次第なのかなぁ、と思ったりしました。


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主題歌も最高

このドラマ、主題歌もとてもピッタリで。
好きです。

 

オープニング曲は、Creepy Nutsの「オトナ」。
めちゃくちゃかっこいい。

この曲、歌詞もおもしろいんですよね。
私が好きな歌詞は
「そんな真面目な顔してマトモじゃないのはお互い様ですやん」。

ドラマのオープニングの映像もとても合ってる!

(YouTubeに動画が配信されていたけど、期間限定で終わってしまったみたい)

 

エンディング曲は、スターダストレビューの「ちょうどいい幸せ」。
ドラマの最後にこの曲が流れると、しんみりしてあったかい気持ちになります。
いい曲…
疲れた時に聴くと、本当に癒される。

この曲の公式のYouTubeを見つけたので、興味のある方は聴いてみてください。
(ドラマの映像も途中で少しあり)

 

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あとがき

ということで、ドラマ「コタキ兄弟と四苦八苦」の感想でした。
すごくすごくおもしろかった!
好き!!

って、しんみりする感想ばっかり書いているけれど、めちゃくちゃギャグ?も多いんですよね笑
普通に笑えるw
おやじギャグw
話がテンポよく進むので、構えずに見れるのも良かったです。

 

続編ないかなー。
また見たい!

おもしろいドラマを、ありがとうございました!