映画『昼顔』の感想。脚本家の井上由美子さんと監督の西谷弘さんが気になる
「ちょっとしたイヤミスより全然やばい」
「どっと疲れた。けど、とてもおもしろかった」
映画『昼顔』を見終えた最初の感想はこんな感じです。
観終わって時間がたったのに、あまりに私の中でじわじわきてしまい、感想を書かずにいられなくなったっていう。。
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2014/7~2014/9に放送されていたドラマ「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」の続編というこの映画。
実は私はドラマを観たことは一度もないんですよね。
よくメディアで話題になっていたので、
「上戸彩さんと斎藤工さんが不倫してドロドロするドラマでしょ?」くらいの印象で。
映画は、テレビ放送していたのを完全に興味本位で録画しました。
まぁ気が向いたら観ようかな、くらいの気持ちだったのでずっとHDDの中に入りっぱなしで。
ついこの間観たら、すごくおもしろかったっていう。。
ということで、以下ではドラマ未視聴の私が映画『昼顔』を観た感想を書いています。
思いっきりネタバレありの感想なので、NGの方は読まないでいただけますようお願いいたします。
(うろ覚えな所もあるのでご了承ください)
【目次】
映画『昼顔』の感想
女の本能にパワーと怖さを感じた
この映画、女の心理をめちゃくちゃ描いてますよね。
女の欲というか、本能というか、なんていうか。
上戸彩さん演じる「紗和」と、伊藤歩さん演じる「乃里子」はどっちが幸せなんだろう?とか考え始めたらじわじわ怖くて。。。
特に結末がヤバい。
倫理的にとか、道徳的にとか、そういうのを全部無視したとして。
好きな男は失ったけどその子供を手に入れた女(紗和)と、
好きな男を事故とはいえ殺して、永遠に自分のものとして手に入れた女(乃里子)と。
どっちが幸せとか、そういう問題じゃないし、どっちも幸せじゃないんですけど…
それを自分の生きる強さとしてる感じがして。
女の本能みたいなものに、すさまじいパワーと怖さを感じたというか。
斎藤工さん演じる「北野先生」の気持ちは、重要じゃないような気すらしてきて…
それが余計、女の本能の強さを感じたというか…
映画の中盤に、北野先生が紗和のパート先のオーナーに向かって言った、
オスはメスに振り回されるために生きてるんですよ、みたいな発言(ニュアンスです)がすべてを物語っているような…
観終えた後の後味が…
ちょっとしたイヤミスより、はるかにやばい…
じわじわくる…
女とは…
とか思って、やり場のない気持ちを抱えました。
私は女だから、紗和の気持ちも、乃里子の気持ちも、わかる所があるんだろうなぁ。
だから、自分の中に同じものを感じられるから、余計に怖いのかも。
自分が怖い…
男性と女性で全然違う感想を持ちそうなのも興味深いですね。
オーナーがせつない
平山浩行さんが演じる、紗和のパート先のオーナーの杉崎が、なんだかせつなくて。
このオーナーはバツイチで、過去に奥さんに浮気されて離婚して仕事も失ったっていう人で。
浮気した紗和と自分の奥さんを重ねて、嫌がらせ?で紗和と北野先生の不倫のことを噂で流したり。
オーナーが紗和に対して、勝手に奥さんと重ねてごめん、みたいに謝るシーン(ニュアンスです)があるんですよね。
完全に想像なんですけど、
紗和とオーナーの奥さんは似ていたのかな。
オーナーは紗和のことを好きだったのかな。
とか思ったら、なんだか無性にせつなくて。
オーナーは、裏切られても前の奥さんみたいな人がやっぱり好きなのかな、
でも結局紗和も浮気をした人なわけで…
とか、想像しだしたらすごくせつなかったです。。。
この映画、観る側にめちゃくちゃ想像させますよね。
それが余計おもしろいのかもしれません。
ホラー映画か?アクション映画か?
この映画は、女性の心理をすごく上手に描いている映画だと思います!
でもホラー要素とカーアクション要素も感じて…
私はビビりなので、ホラー映画やビクビクするアクション映画は苦手なんですよね。
この映画を観ていて、これはあの怖さと一緒だ!やばい、怖い!という気持ちになりました。
完全にホラー
あの、紗和と北野先生がバスから出てきた後のクラクション。
本っ気で怖かった…
本っ当に怖かった…
不倫の話とわかって映画を観ていた私ですら、最初ただの街の雑踏の一部としてしかクラクションは聞こえなくて…
でも、大音量のクラクションがなかなか鳴りやまなくて。
まさかの…
乃里子・・・
うわーーーーーーーーーー・・・・・
なんだろう…
怖いの!
とにかく怖い!
劈くようなクラクションの音が、乃里子の悲鳴や叫びのようにも聞こえて…
怖い…
という所が、私の中では完全にホラーでした…
カーアクションにビクビク
乃里子が運転して北野先生と車に乗ってるあのシーン。
紗和は夏祭りで街の人とも打ち解けてきて、っていうあのシーン。
カーアクションか!?と思うくらい、
ビビりな私には耐えられないビクビクが…
スピード!
スピードを出しすぎなの!!!
どうする!?
サイドブレーキか!?
この山道で!?
無理か!
・・・うわーーーー!!!
という気持ちで、ビクビクしてテレビ画面をチラチラ隠しながら観ました。
ホラーのシーンもカーアクションのシーンも、とにかく見せ方が上手なんだろうなぁ…
心拍数やばかったです。。
キャスト陣の演技がすごい
セリフですべてを語ろうとしない映画だからか、
キャストの方々の演技が上手だなぁ、とすごく感じました。
特に上戸彩さんは、上戸彩さんらしいハッピーオーラが完全に消えていて。
ここまで雰囲気を変えられるものか、とビックリしました。
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DVDのジャケットの写真が刺激的ですが笑
女性の心理描写をメインとした話なんじゃないかな、と私は思いました。
感情を動かされるというか、観る側のこちらが想像して考えさせられるというか。
全体を通して観て、とてもおもしろい映画でした!
脚本家の井上由美子さんと監督の西谷弘さん
この映画「昼顔」はドラマ版から引き続き、脚本は井上由美子さん、監督は西谷弘さんが担当なさっている作品とのことで。
実は、2019/10~12に放送しているテレビドラマ「シャーロック」もこのお二人が担当されてるみたいなんですよね。
(ディーン・フジオカさんと岩田剛典さんが出演なさっているミステリー)
我が家では「シャーロック」を観ていて。
推理物なので「昼顔」とは全然違う雰囲気なんですけど、このドラマもおもしろいです。
2019/11/1公開の映画『マチネの終わりに』も、このお二人が担当なさってるんだ!
(福山雅治さんと石田ゆり子さんが出演なさっている恋愛映画)
はっきりした原作のある所が「昼顔」や「シャーロック」とは違うけど、
気になる!!!
あとがき
ということで、映画「昼顔」の感想でした。
観る側のこちらが想像して考えさせられるような映画で、
観終えてどっと疲れましたが(笑)、とてもおもしろかったです!
【追記】
2020/7頃、ドラマの『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』を全話観ました!
ドラマもめちゃくちゃおもしろかった!!!